「中小企業にはメリットがなさそう」「複雑すぎて選び方がわからない」と言い訳を考えては避けてきたのですが、「こんなことでは社内SE失格だ」と一念発起して調べてみました。
そこで今回は、理解できた部分を簡単にまとめてみます。
※「中小企業」向けの内容になっています。
ボリュームライセンスの基本のキ
ボリュームライセンスのメリットは?
パッケージ版に比べ「メディアやマニュアル、製品のパッケージを省くことによるコスト削減」、「複数ラインセンスをまとめて購入することによる割引」などがあり安く購入することができます。
さらに製品のダウングレード権も付加されます。またソフトウェアアシュアランスの購入も可能になります。
ソフトウェアアシュアランスって何?
ボリュームライセンスを語るには、切っても切れないのがソフトウェアアシュアランスです。これは何なのか?簡単に言ってしまうと「ソフトウェアの保守サービス」になります。ボリュームライセンス限定のプログラムとなっています。
代表的な特典には、
- アップグレードの権利
契約期間中であればリリースされた最新のバージョンにいつでもアップグレードできます。 -
年中無休の技術サポート
電話と Web による年中無休のインシデント サポートが受けられます。
※Open License では、Web サポートは対象外。 -
E-Learning
ライセンス1つにつき1名が E-Learning を受けられます。
などが挙げられ他にも多数の特典があります。
参考記事:ソフトウェア アシュアランス特典の確認
ボリュームライセンスの各プログラム比較
下表は「中小企業」向けのプログラムに絞った比較表です。
プログラム名 | Open License (Open Business) |
Open Value | Open Value Subscription |
---|---|---|---|
必要ライセンス数 | 3ライセンスから | 3ライセンスから | 3ライセンスから |
ライセンス形態 | 永続ライセンス | 永続ライセンス | 非永続ライセンス |
ソフトウェアアシュアランス(SA) | オプション | 標準 | 標準 |
ソフトウェアアシュアランス契約期間 | 2年 | 3年 | 3年 |
製品のメディア | 別途購入 | 無償提供 | 無償提供 |
購入形態 | 個別購入 | 個別購入or 全社契約 | 個別購入 |
価格設定 | 1種類 | 2種類(個別、全社) | 1種類 |
支払い | 一括 | 一括、年次分割払い | 年次分割払い |
備考 | VS.Net with MSDNに 限り、SAは標準(2010) |
全社購入の場合、 特別割引有り |
使用料払い |
Open License は、実は2種類に分かれる
比較表では「Open Business」のみ取り上げていますが、それとは別に「Open License」には「Open Volume」というプログラムがあります。これは大規模向けの「Enterprise Agreement」と「Open Business」の間に位置します。
価格はポイントによって決まり、初回購入時に500ポイント以上購入する必要があります。基本的に1製品2ポイント、つまり初回に250ライセンス以上の購入が必要になります。「中小企業」向けには大きすぎるため比較表から除外しました。
ライセンスの数え方
ソフトウェアの合計ライセンス数になります。WindowsのPCに、Office、Visio がインストールされていれば、3ライセンス(windows + Office + Visio)となります。
必要ライセンス数は3ライセンスからとなっていますが、必ずしも「PCが3台以上」必要という意味ではありません。
永続ライセンスと非永続ライセンス
「永続ライセンス」は、パッケージ版の購入と同じでライセンスを買取ることで契約期間が終了しても継続して利用することが可能です。
しかし、「非永続ライセンス」は、ライセンスをレンタルしているイメージです。つまり、契約期間の終了とともに利用することができなくなります。期間終了後は、契約更新もしくは、ライセンスを買取ることで継続して利用することが可能となります。
個別購入と全社契約
「個別購入」は、必要とするソフトウェアを必要分だけ購入することです。購入可能な製品は豊富です。
それに対して「全社契約」は、全社にあるすべてのPCで特定のマイクロソフト製品を利用する契約です。購入可能な製品は少ないですが「個別購入」と比較して安価に購入できます。
ボリュームライセンスQ&A
- ボリュームライセンスは個人で購入することは可能か?
可能です。3ライセンスから購入可能であるため敷居は、それ程高くありません。 -
ソフトウェアアシュアランス(SA)の契約期間が終わり契約更新しないと利用できなくなる?
ライセンス形態が永続ライセンスの場合は、契約更新しなくても引き続き利用可能です。しかし、SAの特典は利用できなくなります。 -
非永続ライセンスの場合、契約終了しても引き続き利用できるか?
契約更新もしくは、ライセンス買取りを行わないと利用できません。 -
ソフトウェアアシュアランスは購入しなくても良い?
「Open Business」の場合は、オプションとなっているので購入しないことも可能です。
たったこれだけのことを理解しただけで、Microsoft の解説ページが大分読みやすくなりました。これを機会に、今後は損をしない納得のいく買い方を心掛けたいものです。
ではでは。