ここ最近、「持っている」という言葉をよく耳にするようになりました。サッカー日本代表の本田圭佑選手、プロ野球の斎藤佑樹選手などがインタビューで、この言葉を使用したことが記憶に残っています。
さて、「持っている」とは、いったい「何を」持っているのでしょうか。この「何を」に注目したのが本書です。
「持っている人」は、「他人、感情、過去」といった変えられないものには力は注がない。「自分、行動・思考、未来」といった自分の意志で変えられることに集中する。なぜなら、過去の事実は変えられないが意味を変えることができるからです。
フィギアスケートの安藤美姫選手の「トリノで結果が出ていたらバンクーバーはなかった」の一言がまさにそれです。
「持っている」の核心に迫るにあたり、誰もが知っているスポーツ選手の名言をもとに考察している部分が多いため、非常に読みやすく感じました。
おっさんチェック
第一章「持っている人」が世間を賑わせている
一度きりのラッキーなら、どんな人でも、長い人生のなかで一度か二度は経験があるでしょう。しかし、それだけでは「持っている」とは表現しませんよね。三度、四度と結果が出たからこそ「持っている」と形容されるはずなのです。そう、続けて結果を出してこその「持ってる」なのです。
第二章「持ってない」人になってしまうカラクリ
「持っていない」だけなら普通の人かもしれませんが、「持っていない」をこじらせると周囲に迷惑をかける「モンスター”持ってない人”」に進化してしまう
人間は、常に環境との相互作用のなかで、自分を作りかえていきながら、自己を完成させていくものなのです。「自分は変わらない」「そういうことはできない」と思い込んでいたら、永遠に成長はできないでしょう。
「持ってない人」はこんなタイプ
1.私は悪くない<批判型>
2.感情に左右される<激情型>
3.あきらめきれない<過去執着型>
4.自分を中心に世界が回る<天動説型>
5.変化を拒む<恐竜型>
第三章「持っている人」はものごとを分けて考えている
「持っている人」は、怒りをコントロールする術を持っています。不安と同様、どんな怒り狂おうとも、怒りというのは自体を好転させることはありません。怒りは怒りとして自分なりに発散させておいて、相手にはぶつけず、あくまで冷静に問題を解決するべく努力したほうがよい
「持っている人」は現実を直視して、自分で変えられないものは意識の外に追い出してしまうことができるのです。そして、自分の力で変えられることに意識を集中させ、全力を尽くすのです。
第四章 他人・感情・過去は変えられないのか?
変えられないもの:他人、感情、過去
変えられるもの :自分、思考・行動、未来
自分で変えられるものと、自分では変えられないものとは、自動車の前輪と後輪の関係に似ています。前輪は「自分・思考・行動・未来」、後輪は「他人・感情・過去」です。先にも述べたとおり、前輪の「自分・思考・行動・未来」は、自分の意志によって変えることができます。ドライバーのハンドリングによって、右へ、左へと行き先を変更できるのが「自分・思考・行動・未来」です。
第五章「持っている人」の世界観
「持っている人」ほど、勝ち負けの基準、成功か失敗かの明確な基準を持っています。そして、何が自分にとっての成功や成長なのかを自覚している
第六章「持っている人」の正体
信頼残高は、どのように増やしていけばいいのでしょうか。それには、「約束」と「実行」です。信頼は、「約束」と「実行」の繰り返しによって、残高が増えていくもの
才能に恵まれ、努力を続けたからといって、必ず勝負に勝てるとは限らないのです。「持っている人」は、そのことを熟知し、「やれることはやり切った」という自身があるからこそ、最後の1パーセントに対して謙虚に「祈る気持ち」や「感謝の気持ち」が芽生えるのではないか
私たちは一人では生きていけません。必ず、この世界とつながりながら生きているのです。そのことをしっかり認識し、そこに感謝と謙虚さを持つことで、逆に世界があなたの味方になって、あなたを後押ししてくれる