「Windows10 Creators Update の対応どうしよう?」
先週、ある業者からWindows10 Creators Updateを適用されると、アプリだけでなくOSにも影響する不具合が見つかったとの連絡を受けて、てんやわんやの数日間でした。
厄介なのが「Creators Update」がいつ頃配信されるのか、正確な日程は出ていないところです。現時点では4月の上旬にはリリースされるのではないかと予想されています。
とりあえず、今回はWindows10 Creators Updateが適用されないようにサービシングモデルをCBBに変更して、アプリ側の不具合対応を待つことにしました。
この記事ではActive Directoryのグループポリシーを使用して、Windows10のサービシングモデルを変更する方法を紹介します。
Windows10 Creators Updateの対応方法
Windows 10 端末のサービシングモデル(設定)をCBモデルからCBBモデル(適用を延期させるモデル)に変更する。
CBBモデル変更することで、リリースから短くとも4か月は適用を遅らせることができます。
最長で12カ月くらいにはなるで、問題となるアプリの不具合を対応するには十分な時間があります。応急処置ではありますがお手軽で効果の高い方法だと思います。
グループポリシーを利用してCBからCBBに変更する手順
1.管理者用テンプレートのダウンロード
Windows10 の Windows Updateに対応した管理者用テンプレートは、マイクロソフトの下記ページから入手できます。
リリースバージョンが1607はこちら(日本語がなぜか文字が化けます)
Download Administrative Templates (.admx) for Windows 10 and Windows Server 2016 - 日本語 from Official Microsoft Download Center
リリースバージョン1511はこちら(文字化けはないですが日数指定ができません)
Download Administrative Templates (.admx) for Windows 10 - 日本語 from Official Microsoft Download Center
2.管理者用テンプレートのインストール
インストールは、Active DirectoryサーバーでなくてもOKです。お使いのクライアント端末でも構いません。
3.管理者用テンプレートの適用
インストール先のフォルダー内にある「PolicyDifinitions」をコピーします。
「%windir%\SYSVOL\sysvol\<ドメイン名>\Policies\ 」に貼り付けします。
%windir%はWindowsのシステムディレクトリのことです。
「%windir%\SYSVOL\sysvol\」をコピーして、エクスプローラーのパス部分に貼り付けると簡単にコピー先が見つけられるはずです。
これでWindows10 のグループポリシーの設定が可能となります。
4.グループポリシーの設定
[ファイル名を指定して起動する]から「gpmc.msc」と入力してグループポリシー管理エディタを起動します。
ツリーを[コンピューターの構成] > [ポリシー] > [管理用テンプレート] > [Windows コンポーネント] > [Windows Update] > [Windows Updateの延期] の順で開きます。
[機能更新プログラムをいつ受信するかを選択してください] を右クリックし、[編集] をクリックします。
[有効]を選択します。詳細項目の設定が入力できるようになるので、ブランチ準備レベルを[CBB] に選択します。延期する期間を 180 日と入寮句して[OK] をクリックします。
これで設定は完了です。
5.クライアントの設定の変更点
グループポリシーがクライアントに浸透すると、Windows10 のWindows Update画面の詳細が下図のようになります。
グループポリシーで管理しているので利用者が勝手に変更することができなくなります。
番外編:管理者テンプレートの読込に失敗するときは…
グループポリシー管理エディタを開いたときに下のようなエラーが発生した場合は、Active DirectoryサーバーのWindows Updateの適用状況が最新になっていないことが考えられます。
「解析中にエラーが発生しました」
何らかの事情があって最新にできない場合は、該当のファイルの拡張子を変更して回避することもできるようです。
邪道な方法ですが…
さいごに
Windows10 Creators Updateによる影響は、実際にリリースされてみなければ分からない部分が多いです。開発者版ではテスト可能ですが、中小企業の情報システム部門が試験運用するのは現実問題厳しいです。
とりあえずは、サービシングモデルをCBBにして数か月は、世間の動向や不具合報告などの情報を集めてから、導入に踏み切るのが得策だと思います。
こちらからは以上です。